2023/10/14
高校時代からの才能に溢れる新婦、河野さん。音楽部での共演から始まり、一流の音楽家へと成長する彼女の旅路を見守った顧問が、結婚式でその美しい門出を祝うスピーチです。人生と音楽に対する真摯な姿勢と温かい人柄に対する敬意と感謝、そしてこれからの家庭生活と音楽活動への深い期待が込められています。
河野さんは、私が教職に就いた最初の年に入部した、非常に才能に溢れる生徒でした。彼女の才能は一聴して明らかで、特にフルートの演奏はファンタスティックと形容するにふさわしい美しさでした。音楽部では、上級生が下級生に技術や感性を伝える役割を果たすことになっておりますが、河野さんに教える上級生がいないため、私が直接指導することとなりました。
河野さんは、音楽の奥深さを求めて日々努力する真剣な様子に、時折彼女自身が発するおどけたジョークで和ませる一面も持っていました。私たちの指導関係は、次第に良き友人のような関係へと成長し、部の中で「名物デュオ」と呼ばれるようになりました。
その後も、河野さんは音楽部での活動を通じて、たくさんのコンクールで賞を取るなど、その才能を開花させていきました。そして、卒業後も音楽の道を選び、一流の音楽家へと成長していったのです。
今日、河野さんが結婚するこの日を迎え、かつての生徒が大人の女性として幸せな門出を迎える様子に、私は誇りに感じております。指導者として、かつてのデュオの相方として、ある意味、親のような、姉のような、そんな複雑な気持ちで今日の日を迎えております。
これからも、河野さんが音楽を通じて人々に幸せを届けるような素晴らしい音楽家になること、そして素敵な奥さんになることを、心から願っております。河野さんの人生が、彼女の演奏のようにファンタスティックであることを、願って止みません。
最後になりましたが、新郎の皆さんにもお願いがあります。この才能に溢れた素晴らしい女性を、大切に思い、支えてください。彼女の音楽の道を、夫として共に歩んでいっていただきたく存じます。